お役立ちコラム
藤原岳登山の基本情報~花の百名山にも選ばれた、初心者でもトライできる山~
鈴鹿セブンマウンテンの一座で、花の百名山・関西百名山にも選ばれているのが「藤原岳」です。
遠くから鈴鹿山脈を見ると、大きく山を採掘している藤原鉱山の辺りに位置します。
標高は1,140mで、石灰岩地のカルスト地形となっており、ほとんど遮るものが無い山頂からはパノラマの景色が楽しめます。
登山コースもきれいに整備されていて、迷いやすい箇所には、ルートを外れないようにロープも張ってあります。
急登もほとんどなく、ジグザグに標高を上がっていくので、登山初心者には歩きやすい山です。
また、ルート沿いには現在地が何合目か分かる標識が設置されているので、目安にもなり、気持ち的に余裕も出てきます。
余談ですが、昔は藤原岳山頂までスキーを担いで滑ったり、山上付近で化石が取れた…などの話を聞いたことがあります。
この記事では、藤原岳から車で約45分の湯の山温泉『ホテル湯の本』で営業企画責任者として勤務している私が、藤原岳の基本情報について解説します!
目次:項目選択でジャンプします
藤原岳登山におすすめのシーズン
おすすめシーズン①:3月~5月
春先の花が咲く頃に、藤原岳を訪れる登山客や観光客がとても多いです。
とくに孫太尾根コースは3月はお花目当ての人で賑わいます。
藤原岳は植物が豊富で「花の百名山」に選定されています。
代表的な花として、
- 黄色い花のフクジュソウ (3月~4月上旬)
- 白い花のセツブンソウ
などが群生しており有名です。
ただし急な斜面に自生しているので滑落や落石に注意が必要です。
藤原岳から多志田山に向かう急斜面に福寿草が群生しています(急斜面)
藤原岳山上から多志田山に向かう急斜面付近で咲いていたセツブンソウです。
3合目あたりにシャクナゲも多く見かけ、9合目の藤原山荘から山頂に行く途中にはアセビが広がっていました。
植物が咲くタイミングを見計らって登山するのもおすすめです。
藤原岳で咲いていたセリバオウレン
藤原岳で咲いていたミスミソウ。
小さな黄色い花のネコノメソウ。
おすすめシーズン②:10月~11月
秋の紅葉の時期は、広葉樹の彩りや登山しやすい気温もあり、登山客の多い時期です。
麓の聖宝寺は紅葉の名所としても有名です。
藤原岳の登山ルート
メインとなる2つのルートは「大貝戸ルート」と「聖宝寺ルート」ですが、どちらも8合目で合流します。
その後は藤原山荘を経由して山頂を目指します。
藤原山荘から藤原岳山頂までは約20分です。
なお、藤原岳山頂付近は足元が滑りやすく、ご注意ください。
ストックがあると歩きやすいです。
ルート①:大貝戸ルート(表登山道)
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難易度 :★☆☆☆☆ 1
所要時間:登山口から上り約3.5時間・下り約2時間
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神武神社の鳥居をくぐり、境内から緩やかな坂道が始まります。
ルートもしっかり整備もされて、登山初心者にも安心です。
登山道には2合目~9合目の看板表示がありますので、休憩ポイントに便利です。
▼大貝戸ルートの4合目 (ベンチも設置されています)
全行程を通して急登も少なく、迷いやすい場所にはロープが張られています。
途中から石灰質の岩を見ることができるのも藤原岳らしいです。
8合目を過ぎた辺りは開けていて、気持ちの良い風の通り道になっています。
9合目を過ぎ、道がなだらかになってくると、藤原山荘までもう少しです。
藤原山荘にはバイオトイレがありますので、山頂に行く前にもう一度準備したいところです。
▼藤原山荘にある綺麗なバイオトイレ
▲10月紅葉の藤原岳を登山イベントで登りました!
▼9月の藤原岳、アケボノソウも見れました!
▼大貝戸ルートの解説動画をYouTubeにUPしました
ルート②:聖宝寺ルート(裏登山道)
※大きな堰堤の向こう側にルートがあります
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難易度 :★★☆☆☆ 1.5
所要時間:登山口から上り約3.5時間・下り約2時間
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鳴谷神社から動物除けのフェンスを開け、250ある石段を上り、サンクチュアリの釣り堀の横を通ります。
▼鳴谷神社からの石段 (開けたフェンスは閉めてください)
釣り堀を過ぎた所にトイレがありますので、心配な方はご利用ください。
サンクチュアリ、聖宝寺の駐車場を抜けて左に曲がると、堰堤に続く登山道になります。
大きな堰堤を右から巻くように階段を上り越えて、再び堰堤下の沢に降りていきます。
渡渉して斜面をジグザクに登り始めます。
基本的には登りやすいルートですが、途中、急登や根が張り巡られた箇所もあります。
▼聖宝寺ルートの6合目
聖宝寺ルートも、何合目を通過したか分かる看板表示がありますので、休憩の目安にするとよいと思います。
7合目を過ぎて林の急登を上ると、8合目の大貝戸ルートと合流します。
大貝戸ルートと比べると、聖宝寺ルートの方が少し行程がキツい感じがします。
▼聖宝寺ルートで天狗岩までの解説動画をYouTubeにUPしました
ルート③:丸山・多志田山・孫太尾根 登山道ルート
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難易度 :★★★☆☆ 3
所要時間:登山口から上り約3.5時間・下り約3時間
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=お知らせ====
丸山-多志田山の孫太尾根が通行止めになります
※う回路もありません
期間:令和6年(2024年)9月1日(日)~ 工事完了(未定)
理由:採掘工事
詳細については「いなべ市役所」へお問合せください TEL 0594-86-7833
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早春の3月にお花目当てで人気の丸山・孫太尾登山道。
北勢町新町の集落を通り墓地横に10台ほど駐車場があります。
3月の週末は早い時間から満車になるようです。
登り始めは植林された道を歩きますが、途中から岩々の道になります。
それと同時に急登が連続して、体力が消耗するので休憩しながら歩きます。
2ヶ所ほど分岐の案内看板がありますが、行く先で合流しています。
多志田山を過ぎると、藤原岳に向かう急斜面はバリエーションルートで破線になっています。
ここでは福寿草やセツブンソウが多く咲いていて登山者を楽しませています。
急斜面なので足下の小さな花や落石に注意してください。
急登を登りきると藤原岳山頂まではもう少しです。
▼3月に藤原岳の福寿草なら孫太尾根ルートが人気!こんなコースイメージです。
~おまけ~ 天狗岩 (石頭群) について
藤原山荘から天狗岩 (1,165m) まで約30分です。
藤原岳山頂と反対方向の北へ向かいます。
周りは石灰質地で、灰色の小さな石頭がたくさん見られ、鹿の通り道も至るところにあります。
緩やかな斜面で歩きやすいですが、途中で御池岳へ行くルートと間違えないようにしてください。
天狗岩は、石灰岩質の石頭が立ち並んでいる場所になります。
足元は深い谷になっていて、遠くに藤原岳も望めます。
実は、藤原岳山頂よりも天狗岩の方が少し標高が高いです。
藤原岳登山口までのアクセス・駐車場情報
藤原岳のメインとなる登山口は下記の2つです。
- 大貝戸登山口 (表道)
- 聖宝寺登山口 (裏道)
それぞれ駐車場も近い場所にありますが、無料駐車場から先に満車となっていきます。
春と秋のシーズンは、早朝から登山する人が非常に多いです。
時間に余裕をもって登山計画を立て、藤原岳登山を楽しんでください。
車利用の場合
▼藤原岳登山口休憩所駐車場 (無料)
大貝戸登山口 (神武神社) のすぐ目の前にある、無料の駐車場です。
狭い道を曲がるため、マイクロバスは入れません。
名前の通り、駐車場に大きな休憩所やトイレがあり、中も綺麗です。
ほかにも、登山靴の汚れを落とせる洗い場があり、しっかりと管理されています。
藤原岳は靴が汚れやすいため、洗い場があるのは有難いです
駐車スペースは約45台ですが、週末などは満車になる時間が早いためお気をつけください。
▼藤原岳観光駐車場 (有料)
約80台駐車可能な有料の駐車場で、料金は1台300円、マイクロバス1,000円です。
前述した藤原岳登山口休憩所駐車場が満車になってしまった場合、500mほど離れた藤原岳観光駐車場を利用すると便利です。
広い駐車場で、トイレも設置されています。
大貝戸登山口と聖宝寺登山口の中間あたりに位置しているため、往路別ルートで登山する場合は便利です。
▼宮前パーキング (有料)
聖宝寺ルートに便利な駐車場で、鳴谷神社前にあります。
駐車スペースは約25台で、料金は1台300円、マイクロバス1,500円です。
観光バスも駐車可能ですので、グループ登山でも利用できそうです。
いなべ市観光駐車場から400mほど離れています。
▼孫太尾根登山口駐車場 (無料)
国道306号線から 集落の中を走るとある駐車場です。
約10台ほどの空きスペースがあります。
けっして墓地敷地内には駐車しないでください。
また別場所(マイハウスさん)にも有料で駐車スペースがお借りできるそうです。
こちらは事前にご確認ください。
公共交通機関利用の場合
近鉄富田駅で三岐鉄道に乗り換えて、三岐線の終点「西藤原駅」で下車します。
大貝戸ルート (表登山道) が最も近く、西藤原駅から大貝戸登山口まで徒歩10分、距離にして約500mです。
駅改札を出て左へ道なりに進み、小さな橋を渡ります。
登山口の小さな案内板がありますので、左折して300mほど進むと大貝戸登山口です。
神武神社の鳥居をくぐり、境内より登山道が続いています。
一方、聖宝寺ルートのある鳴谷神社までは、小さな橋を渡ってそのまま900mほど直進します。
一本道で分かりやすく、駅から神社まで徒歩で約20分です。
▼藤原岳に便利な駐車場の解説動画をYouTubeにUPしました
藤原岳登山の注意点
注意点①:ヒル
▼ザックの隙間にいたヤマヒル
体験談として、晴れた日の大貝戸ルートはヒル被害が無かったのですが、早朝に登った聖宝寺ルートは、雨上がりということもあり、足元に20匹以上くっついていました。
残念なことに、この日は「ヒル避けスプレー」を忘れてしまいました。
途中でヒルを払ったりしたのですが、最終的に5箇所ほど嚙まれていました。
登る前にヒル除け対策をおすすめします。
注意点②:転倒
藤原岳に関しては、ルートがしっかりしているため、道に迷うことは無いと思います。
また、ジグザクにゆっくりと高度を上げていくため、歩く距離が長くなります。
その分、ルートを下っているときに、疲労から足が上がらず、飛び出た石や木の根に足を引っ掛けて転倒しないよう、気を付けてください。
注意点③:鹿の群れ
藤原山荘の周辺で、鹿の群れを見かけました。
多い時で50頭ほど草を食べていて、近い鹿の群れで100mも離れていませんでした。
人間を見ても逃げることもなく、逆に怖さを感じたのを覚えています。
まとめ
- おすすめシーズンは春
- メインの登山ルート(大貝戸ルート・聖宝寺ルート) は2つ
- 駐車場 (無料/有料) は3ヶ所
- 電車でも登山口まで約10分
春先から開花を始める花を目当てに登山する方が多く、福寿草をはじめ、多くの山野草を楽しむことができます。
山頂からは竜ヶ岳や御池岳、養老山脈など展望もよく、稜線沿いに縦走なども楽しめます。
藤原岳の主な登山ルートは2つあり、「大貝戸ルート」と「聖宝寺ルート」です。
大貝戸ルートは急登も少なく、緩やかな上りで 登山初心者におすすめのコースです。
また、それぞれのルートには水飲み場が無いため、水分を多めに持ち、こまめに休憩して水分補給をしてください。
山上ある藤原山荘には、綺麗なバイオトイレがあるのも嬉しいです。
藤原山荘から頂上までは約20分で、常に山頂が見えてますので、あと少し頑張ってください。
登頂したら、山名看板と一緒に記念撮影をおすすめします。
駐車場は登山口のそばにあり、中でも大貝戸登山口の前にある無料駐車場の「藤原岳登山口休憩所駐車場」は、すぐに満車になりやすいです。
時間に余裕をもって登山計画を立て、藤原岳登山を楽しんでください。
*:*:*
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冬季(鈴鹿スカイラン通行止め期間)は不可 - チェックイン前・チェックアウト後も、駐車場利用可能
- 翌日に登山する場合、
登山後の温泉入浴可能
この記事の
監修者
伊藤
御在所ロープウェイ最寄りの温泉旅館「ホテル湯の本」の営業企画責任者として勤務。趣味は登山とスノーボード。若いころは山岳部だったこともあり、鈴鹿の山々を歩いています。
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