お役立ちコラム
登山する際に気をつけたいヤマビルの対策と対処法について
登山時には注意すべき点が多く存在しますが、そのうちの1つが山に住む生物です。
なかでもヤマビルは、噛まれると出血だけでなく、さまざまな症状を引き起こす危険があります。
そこで、本記事では、これから登山を計画している方やヤマビルに遭遇してしまった方のため、登山する際に気をつけたいヤマビルの対策や噛まれた場合の対処法について紹介します。
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ヤマビル対策は山登りに必要
ヤマビルは本州から沖縄まで日本全国に広く分布しているため、登山をするなら誰しも遭遇する可能性があり、対策は必要不可欠といえます。
はじめに、ヤマビルとはどのような生き物で、どういった被害をもたらすのか、ヤマビルについて説明します。
ヤマビルとは?
ヤマビルは陸に住む吸血性ヒルの一種で、主に山林などに生息しています。
普段は2~3.5cmほどですが、血を吸ったりしてふくれると5~7cm程度まで伸びます。弾力性もあるため、体を引っ張られても千切れません。
虫のように地面を這って進み、吸盤で人や動物などに吸い付くと、3つあるアゴを使って皮膚の柔らかい部分を削り、出てきた血を飲みます。吸血後は体がふくらむのも特徴です。
吸血時には、「ヒルジン」といわれる麻酔効果のある物質を出すため、痛みも感じず、知らない間に血を吸われている場合もあります。
ヒルジンには血液の凝固を阻害する効果もあり、気づくと、いつの間にか出血していて足などが血だらけになっているといったことも起こります。
ヤマビルに咬まれると、時間が経ってから腫れやかゆみなどの症状が出てくる場合があります。また、ヒルジンの作用から出血も止まりにくくなっています。
ただ、蚊やダニのように刺して血を吸う生き物と違い、感染症の心配はほとんどなく、ヤマビルに噛まれたからといって命にかかわるケースはありません。
しかし、稀に傷口から細菌が入って、発熱やじんましんといった症状を起こす場合があるため、注意が必要です。
ヤマビル対策が必要な時期は?
ヤマビルの活動期は4月~10月です。
ヤマビルは湿気を好む性質があるため、雨が多く、湿度の高い梅雨の季節や秋雨の時期などは特に気をつけましょう。
6月~9月にかけては生息数も増え、雨が降る前後には活動も活発化します。また、9月~10月も産卵の時期にあたり、注意が必要です。
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ヤマビルに山で噛まれないための対策6選
体も小さく、血を吸われても気づきにくいヤマビル。山で噛まれないための対策には下記の6つがあります。
- 長袖・長ズボン
- タイツ・ストッキング
- 専用スプレー
- 食塩水スプレー
- 地面に物を置かないこと
- 地面に触れない・座らないこと
ヤマビルに山で噛まれないための対策について解説していきます。
ヤマビル対策①:長袖・長ズボン
登山の際には、長袖・長ズボンを着用しましょう。ヤマビルが服の上から噛みつくケースはほとんどなく、肌を露出しなければ、噛まれる心配を大きく減らせます。
足元から侵入するのを防ぐため、ズボンの裾を靴の中に入れるとさらに効果的です。
ヤマビル対策②:タイツ・ストッキング
どうしてもショートパンツのほうが動きやすいという方は、タイツを着用してください。肌を出したままよりも噛まれる可能性は低下します。
また、靴下の内側にストッキングを履いておくと、靴やズボンの中に侵入してきた場合にも安心です。網目を食い破ってまで噛みつこうとするケースはほとんどありません。
ヤマビル対策③:専用スプレー
ヤマビルを寄せ付けないための対策として、市販されている忌避剤入りの専用スプレーを使う方法があります。
スプレーなので手軽に使用でき、衣服や荷物などにかけて乾燥させておくと、ヤマビルの被害を防ぎます。
タオルに吹きかけて首や足首に巻くのも良いでしょう。ただ、忌避剤自体が肌につかないよう注意してください。
ヤマビル対策④:食塩水スプレー
専用スプレーを購入しなくても、食塩水を使えば、自宅で簡単にヒル避けスプレーを作れます。
作り方は、水と塩を8:2の割合で混ぜた濃度20%の食塩水を100円ショップなどに売っているスプレー用のボトルに入れるだけです。
ヤマビル対策⑤:地面に物を置かないこと
登山中はザックなどの持ち物を無闇に地面に置かないようにしましょう。
ヤマビルは地面に置かれたザックに飛びつく場合があり、気づかずに背負うと、今度は持ち主のところまで這ってきて噛まれてしまいます。
休憩時など、どうしても降ろしたい時はロープとカラビナを使ってザックを木に吊るすと良いでしょう。
ヤマビル対策⑥:地面に触れない・座らないこと
休憩の際にも、不用意に地面に座り込んだり、辺りに触れたりしないようにしてください。
地面に座る場合は、息を吹いてヤマビルがいないのを確かめましょう。もしも、いた場合は他の場所に移動します。
直接地面に腰掛けなくてもいいように、レジャーシートなどをもっていき、スプレーをかけて使う方法もあります。
ヤマビルに山で噛まれた場合の対処法5選
どれだけ注意していても、登山中、ヤマビルに噛まれてしまうこともあるでしょう。
ヤマビルに山で噛まれた場合の対処法は以下の5つです。
- 専用スプレー・食塩水をかける
- 塩をかける
- 火を当てる
- 傷口を洗う
- 落ち着いて対応する
万一、噛まれたときでも焦らず行動できるよう、しっかり覚えておいてください。
対処法①:専用スプレー・食塩水をかける
はじめに、専用スプレーや食塩水を使って吸い付いたヤマビルを引き剥がします。
無理に落とそうとすると、ヤマビルの体が千切れ、口が残って傷口が化膿してしまう場合があります。
スプレーや食塩水はヤマビルを寄せ付けないだけでなく、噛みついたヤマビルを剥がすのにも効果的です。
対処法②:塩をかける
スプレーをもっていない場合は塩をかけてヤマビルを引き剥がす方法があります。
事前に塩水を作っておいても良いですが、濃度を濃くしておかないとヤマビルには効果が薄くなります。
また、衣類やザックの革や金属部分などに塩分が着くと、劣化や腐食の原因になるため、後でしっかり落とすようにしてください。
対処法③:火を当てる
スプレーや食塩水などが手元にない場合は、ライターの火で炙ればヤマビルを剥がせます。
忌避剤は直接肌にかけないほうがいいので、ヤマビルがすでに噛みついている状態なら、火を当てるほうがいいかもしれません。ただ、火傷にはくれぐれも注意してください。
対処法④:傷口を洗う
ヤマビルを引き剥がしたら、次は応急処置に取り掛かります。まずは傷口を洗ってヒルジンを落としてください。ヒルジンが残ったままだとなかなか出血が止まりません。
また、しっかり洗えば、かゆみなどの症状を抑えられます。虫刺されやかゆみ止めを持っていれば、洗浄後に塗っておきましょう。
対処法⑤:落ち着いて対応する
噛まれた場合は、落ち着いて対応するのが一番重要です。
ヤマビルに噛まれた傷は出血が止まりにくく、大量に血が出てしまう場合もあるため、焦ってしまいがちです。
しかし、対処法を知っていれば、ヤマビルの被害はそれほど恐ろしいものではありません。まずは落ち着いて、対処法を実践するようにしてください。
まとめ
夏の山や紅葉シーズンなど、登山に人気の時期はヤマビルの季節でもあり、山登りをする上でヤマビル対策は欠かせません。
噛まれると出血量が多いため、戸惑ってしまうかもしれませんが、きちんと対応すれば被害は最小限に抑えられます。
登山の際には、本記事で紹介した対策をしっかりと実践し、もし噛まれてしまったときにも落ち着いて行動するようにしましょう。
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この記事の
監修者
伊藤
御在所ロープウェイ最寄りの温泉旅館「ホテル湯の本」の営業企画責任者として勤務。趣味は登山とスノーボード。若いころは山岳部だったこともあり、鈴鹿の山々を歩いています。
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